特攻隊の話をきいてから、ずっと自分に問いかけていたことは、自分ならどうするだろうと言うことだった。
自分は正義感が強いから志願して行くとも考えられるし、いや、人一倍の臆病者なのだから恐れをなして行かないだろうとも考えられる。
でも、結局はその時の時代背景が大きく関わってくると思ったので、今の自分が答えを出せるはずがない。
たまたまKindleで特攻の島という漫画を読めることを知り、興味があったので読んでみることにした。
残念ながら現時点では3巻までしか無料で読むことができなかったので、そこまでしか読んでいないけれど、そこまでで十分わかることがあった。
やはりあの時代では今の自分の価値観など全く通じないということ。
戦争は間違えている。
人を傷つけたくないから戦わない。
などと言えば非国民だと言われて袋叩きにされる。
それが正義だとみんなが信じている場所で、どうやって自分が正義を貫けるのか。
今、タリバンがアフガニスタンを支配したとニュースでやっているが、タリバン社会では我々の当たり前の価値観が通じず、もうすでに女性は虐げられているニュースが出ている。
自分たちの主義主張があるのは勝手にしたら良いけれど、それに賛同する者たちだけでやればいいのに、なぜ嫌がっている人間を支配して従わせようとするのか・・・。
こんな考え方ができること自体が、平和であり恵まれた民主主義のもとに生まれたからなのかもしれない。
特攻の島をかんたんに説明すると、日本が劣勢に立たされた時に起死回生を狙うために作られた兵器が人間魚雷というもので、主人公はこれに乗るために招集されて訓練を受けることになった。
そこには人間魚雷を開発した軍人もいて、なぜ確実に死ぬことがわかっている兵器を開発しようと思ったのか、しかもそれに自分も乗って命を投げ出す覚悟があるのはなぜなのかと、主人公はその答えが知りたくて聞いたりするのだけど、そこで自分の命はなんなのか、なんのために生きてなんのために死んでいくのか、それが知りたくて・・・それがわからずに死ぬのは嫌だと考えている。
主人公の家庭は戦争中だからだけでなく、周りと比べても極貧な生活をしていて、毎日奴隷のような生活を虐げられていた。
やりたいことなんて考える余裕がなく、家族を養うことだけに生きているような人生だった。
だから軍人になったし、命を惜しいとは思っていなかったけれど、さすがに人間魚雷に乗るということになって、本気で命と向き合うことになった。
3巻までしか読んでいないから、最終的に何を伝えたいのかはわからないけれど、本当に色々と考えさせられる。
今の自分は本当にやりたいことはなんなのかと、それを見つけることに悩んだりしているのに、少し時代が違えばそんな悩みなんて贅沢すぎると言われるんだろうな。
今もどこかでこんな理不尽な思いをしている人がいるんだろう。
だとしたら、自分は今のままで幸運で、日々に感謝しながら生きていかないといけないのかもしれないな。
いつもそう思っているけれど、ふと次の瞬間にはそれを忘れてしまう。
また不満ばかりを口にしている。
この癖を治したいけど、子供の頃から植え付けられたものだからなかなか治らない。
けれど、少しずつでも変わろうと思う。
そして自分が生きる意味を、そして死んでいくことの答えを見つけられたらなって思う。